真に受けてしまった

サッカー会場で爆竹の音を爆破テロと思ってパニック、なんてニュース、たちの悪い冗談のような話だ。そんなにも怯えて暮らしているのだ、ヨーロッパの人々は。

 

立派であることは愚かなのかな、と思えてくる。差別をしない、寛容。そういうことを彼らは身を削ってがんばっている。立派なことだと素直に思う。が、その苦行が爆竹に怯える日々の暮らしという形になっていることを、一体彼らはどう思っているのだろう。

 

高尚な理想論を掲げて真に受けてやってみたら大変な事態になってしまったが、いまさら引っ込みもつかないからテロに屈しないと言いつつ怯えて暮らす。そんなふうに映る。

 

その点日本に暮らすリベラルの方々は上手だと思う。ちゃんと理想と現実を分かっているから、憲法9条さえあれば武力はいらないはず、と言ってても自分の家はしっかり鍵をかけセキュリティに気を使うし、日本が軍国主義化すると訴えながらも別に他国へ逃げるわけでもない。本音では日本が結局安全で自衛隊に守られた国で、自身がそういう中で守られて暮らしていることを本当は知っているのだろう。安全に囲まれながら、理想論を披露できる。なんと贅沢な趣味だろう。